耳が遠い高齢者にも伝わりやすい声のかけ方

高齢 難聴
熱中症対策をしょう

高齢者の熱中症対策

耳が遠い高齢者に『こんなに大きな声で話しかけているのになんで聞こえないんだろう?』と思ったことはありませんか?

加齢性難聴の高齢者に話しかける時は『大きな声で』以外にもこんなポイントがあるんですよ。

 

 

まずは正面に回って、しっかり注意を引いてから

加齢性難聴の高齢者は、どの方向から音が聞こえてくるのか判断しづらい傾向にあります。そのため周囲がざわざわしているところで声をかけたり、後ろから声をかけたりしても気付かないことがあります。

なので、相手の視界に入り『これからあなたに話しかけますよ』という合図を送りましょう。手を振る・名前を呼ぶ・視線を合わせるなどするのが良いでしょう。相手が自分の存在をきちんと認識してから話しかけることがポイントです。

 

 はっきり・ゆっくり・落ち着いた声で

加齢性難聴の聞こえ方には『高い音は聞こえづらい』『小さい音は聞こえづらいが、大きい音はうるさく感じる』という特徴があります。声のボリュームを上げると、ついつい声のトーンやテンションも上がってしまいますよね。ですが、それだと加齢性難聴の高齢者は、なお言葉を聞き取りづらくなってしまうという悪循環が生まれてしまいます。

ニュースの原稿を読むアナウンサーのように『はっきり・ゆっくり・落ち着いた声で』話しかけることを意識してくださいね。

 

意味のまとまりごとに区切って話す

加齢性難聴には『早口はわかりづらい』という特徴もあります。これは認知症などで理解力が低下しているということとは別の問題で、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える有毛細胞が減ってしまうことが原因です。

なので「新聞はテーブルの上に置いてあるよ。」と伝える時は、「新聞は/テーブルの/上に/置いてあるよ。」と意味の区切りごとに、ひと呼吸おいてから話すようにすると良いでしょう。そして、話初めや区切りごとの最初の音を強めに発音すると、さらに聞き取りやすくなりますよ。

 

 聞き取りづらい言葉は言い換える

加齢性難聴の高齢者が特に聞き取りづらい音というのがあります。それは、『カ行・サ行・タ行・パ行』です。これらは発音する時に声帯の振動を伴わない音なので、聞き取りづらかったり、聞き間違えが起こったりします。

代表的な例では『しちじ(七時)』を『いちじ(一時)』と聞き間違えるというものがあります。この場合は『ななじ(七時)』と言い換えると、コミュニケーションの食い違いを防ぐことができますよ。

 

『聞こえない』『伝わらない』ということは、双方にとってとても大きなストレスになります。周囲の高齢者が『最近耳が遠くなって、聞こえていないようだな』と感じたら、これらのポイントに注意して話しかけてみてください。スムーズにコミュニケーションが取れるようになるかもしれませんよ。

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