どうしよう…?街で認知症高齢者を見かけたら

公園のベンチに座って休む高齢者

6月中旬に『中学2年の男子生徒が認知症高齢者を保護。警察署から感謝状が手渡された』というニュースが報道されました。

このお手柄中学生の対応には、街で困っている認知症高齢者を見かけた時にどうすればいいかのヒントがたくさん隠されています。

一緒にひも解いてみませんか?

冒頭に紹介したこの男子生徒は夜、塾へ向かって歩いている時に女性から「駅はどこですか」と声をかけられたそうです。その女性は靴を履いておらず、はだしで、名前や住所が書かれたメモを握りしめていたことから『認知症の人だ』と気付き、和やかな雰囲気で会話をしながら、近くの交番まで一緒に向かったということです。

注目ポイント1

ここで注目したいのは「夜」「靴を履いておらず、はだし」「名前や住所を書いたメモ」という点です。これらは徘徊認知症高齢者の特徴をよく表しています。以下は助けが必要な認知症高齢者の特徴です。

・同じところを行ったり来たりしている

・バス停や駅に長時間滞在している

・散歩ではないような時間(早朝・深夜など)に歩いている

・雨、雪でも傘もささずに歩いている

・「ここはどこですか」「○○に電話をしてほしい」と声をかけられる

・左右が合わない靴や、はだしで歩いている

・季節や気温に合わない服装をしている

・車道や線路など危険なところを躊躇せずに歩いている

下に挙げた特徴ほど、より助けが必要な状態です。

注目ポイント2

ここで注目したいのは「和やかな雰囲気で」という点です。困っている認知症高齢者に話しかける時は、

・ゆっくり近づき自然に相手の視界に入る

・まずは挨拶

・顔を合わせて笑顔で優しく

・分かりやすい言葉で話しかけ

・答えはせかさずゆっくり待つ

ことが大切です。

注目ポイント3

ここで注目したいのは「近くの交番まで一緒に向かった」という点です。認知症高齢者本人が『○○へ行きたい』と話していても、家族が探している場合があります。高齢者の安全を確保するために、まずは家族や警察へ連絡するのがよいでしょう。(札幌市で行われている『徘徊認知症高齢者SOSネットワーク事業』の窓口は警察署となっています。)

認知症高齢者と出会う状況や受け答えの程度はさまざまな場合が考えられます。『一人で対応するのは大変』と思ったら、周囲の人(ご近所さんや店員・警察など)に協力してもらうのがよいでしょう。

普段認知症高齢者と接する機会がない場合「私に対応できるかしら?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

できる範囲内で手助けをすればそれでよいのです。

今回ご紹介したポイントを頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。

あわせて読んでほしい!

たくさんの人に知って欲しい!札幌市徘徊認知症高齢者SOSネットワーク事業 (ouchi-sprt.com)

関連ページはこちら  アルツハイマー型認知症と『昔取った杵柄』

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