札幌市では、町全体で徘徊認知症高齢者を保護しようという制度があります。
その中で発見者の約4割が『一般人・施設職員など』(※1)で最多となっています。
進む高齢社会の中で、ぜひ多くの人に知っていてほしい制度なんです。
みんなで見守るSOSネットワーク
SOSネットワークって?
認知症高齢者の行方が分からなくなった時に、消防署・公共交通機関(タクシー・地下鉄など)・郵便局・ラジオ局などの協力を得て、すみやかに捜索・保護する制度です。
発見・保護の後は、必要に応じで地域包括支援センターなどによる相談や保健福祉サービスの情報提供を行い、安心して地域で暮らし続けられるよう支援してくれる制度です。
認知症の家族がいなくなったら…
どこに連絡したらいいの?
居住地を管轄する警察署の生活安全課が窓口となっています。
連絡したらどんなことを聞かれるの?
『徘徊認知症高齢者SOSネットワーク連絡票』の項目に沿って所在不明者情報を聞かれます。連絡票には届出者の氏名や連絡先、所在不明者の氏名や生年月日・身体的特徴・服装・所持金・所在不明時の状況などがまとめられるようになっています。札幌市のホームページから閲覧・ダウンロードすることができます。
無事発見するために家族ができること
・思い出深い場所(昔住んでいた場所や会社、よく通ったスーパーなど)に行くことがあるので心当たりを探してみるのがよいでしょう。
・親戚や友人、近隣住民など見つけた時の連絡をお願いしておくとよいでしょう。
・普段から、名前と連絡先を記入したものを身に付けてもらうようにするとよいでしょう。(個人情報保護のために表からは見えない場所で、かつ、ご本人が必ず持ち歩く習慣のあるものなどがあればそちらに記入するのが有効です。)
『身元確認シール』って?
連絡票の項目に『身元確認シールの有無』という項目があります。これも札幌市で行われている事業で、靴の内部に貼るシールを区役所保健福祉課にて配布しています。対象者は認知症により道に迷ったことがある方で、配布は4枚(1回のみ)無料です。名前と電話番号を記入し、上から保護用のラミネートシールを貼れるようになっています。
令和2年10月1日の時点で札幌市で認知症と診断された高齢者は59,098人、高齢者の9人に1人が認知症と診断されています。(※2)
その中でSOSネットワークの稼働数も年々増加しています。(2017年度:249件、2019年度:291件)(※3)
認知症になっても安心して暮らしていけるために、みんなで見守っていけたらいいですね。
※1.2.3
札幌市高齢者支援計画2021 第3章高齢者の現状と課題より
ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉・介護 > 高齢福祉・介護保険 > 計画・統計・調査報告 > 札幌市高齢者支援計画2021
参考
ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉・介護 > 高齢福祉・介護保険 > 札幌市認知症ナビ > 認知症に関する研修・事業
徘徊認知症高齢者SOSネットワーク事業
認知症高齢者等身元確認シール配布事業
https://www.city.sapporo.jp/index.html
介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。