あらゆる場面で「水分取ってくださいね」と言われることありますよね。
でも「よくそう言われるけどさ、そんなにがぶがぶ飲めないよね」という方も多いのではないでしょうか。
熱中症への注意も盛んに呼びかけられている今だからこそ『水分』を取ることの大切さをお伝えします!
人の体は〇%が水でできている
体内の水分の割合は成人で約60%、高齢者では約50%で半分以上が水分できています。その水分の2/3は各臓器の細胞の中で、残りの1/3はリンパ液や関節液・血液としてそれぞれの役割を果たしています。成人よりも高齢者の水分量が少ないのは、水分を蓄える筋肉量の減少や、基礎代謝量が低下し細胞内の水分が少なくなっているためです。
急激に大量の水分を失うと
暑さにより大量の汗をかいた時、体の中では何が起きているのでしょうか。
汗には体温を下げる役割があります。汗はほとんどが水分でできていますが、ナトリウムやカリウムなど体に必要な電解質が含まれています。
これらの電解質は体の水分量の調整や神経の伝達、筋肉の収縮など重要な役割を果たしています。水分と一緒に電解質が失われることで、いわゆる『脱水症状』になります。
体内の水分がたった2%減っただけで強い喉の渇きを感じ、運動能力が低下します。さらに3%で意識がぼんやりし始め食欲が低下し、4%で体温の上昇や全身の脱力感を感じ、5%以上で言葉が不明瞭になり、ふらつきや呼吸困難・けいれんがみられます。
なので、大量に汗をかいた時は水分だけでなく、電解質が含まれる飲み物を一緒に取る必要があります。
大量に汗をかくことで起こる熱中症予防に、経口補水液やスポーツ飲料が推奨されるのはこのためなんです。
慢性的に水分が足りないと
慢性的に体内の水分量が足りないと、体の中では何が起きているのでしょうか。
胃や腸で吸収された水分は、血液の一部となって全身を巡りそれぞれの細胞へ届けられます。
しかし、血液中の水分が不足するとドロドロ血になり、血流が悪くなってしまいます。頭痛・集中力の低下・食欲不振・脱力感などの症状が起こります。これは『かくれ脱水』と呼ばれる状態です。「何となく調子が悪いな」という時はこのかくれ脱水を疑ってみるのがよいでしょう。
また、ドロドロ血になることで血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。慢性的に水分が足りないのも実は体にとっても危険なんですよ。
特に高齢者は注意が必要です。もともと体内の水分量が少ない高齢者ですが、トイレを気にしたり、感覚機能の低下で喉の渇きを感じにくかったりして水分摂取が足りない傾向にあります。
慢性的な水分不足を補うためには、『水』を飲むのが一番です。
経口補水液やスポーツ飲料にはナトリウムなどの電解質を腸で吸収しやすくするために糖分が含まれています。なので、これらを日常的に飲んでしまうと糖分を取り過ぎてしまう可能性があります。
理想の水分摂取量は
水分摂取の必要性を感じていただけたでしょうか。
1日に約1200mlの水分を取ることが理想とされています。(心臓や腎臓に持病のある方は医師の指示に従いましょう。)
健康を維持するために積極的に水分取ってくださいね!
卓上扇風機介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。