『栄養失調』って過去のものだと思っていませんか。
食べ物が豊富にある現代でも低栄養の状態になってしまう場合があります。
特に高齢者には気を付けてほしいんです!
新型栄養失調って?
1日3食食べているのにもかかわらず、主にたんぱく質とエネルギーが不足している状態のことをいいます。本人的には満足な量を食べていてもなってしまう現代の栄養失調です。
血液検査の結果をチェック
血液検査の結果で『アルブミン値』という項目を見たことがありますか?『アルブミン』とは血液に含まれるたんぱく質の一種で、栄養状態の指標になります。
3.8g/dL以下で低栄養予備軍、3.5g/dL以下で低栄養といわれる状態にあります。
(肝臓や腎臓の病気でアルブミン値が低くなる場合もあります。)
どうしてなるの?
主な原因は食事量の不足と偏りです。特に高齢者は「健康のために粗食を心掛けている」「脂っぽいのは苦手で」と肉や魚を食べる量が減っていませんか?動物性たんぱく質の不足が主な原因となります。また、若い人はダイエット目的で極端な糖質や脂質の制限をすると低栄養の状態になることがあります。
予防するにはどうしたらいいの?
ごはんやパンなどの主食をしっかり食べること。そして、肉や卵・乳製品(動物性たんぱく質)や“畑の肉”と呼ばれる大豆(植物性たんぱく質)を中心にいろいろな食材をバランスよく食べることが大切です。
高齢者は特に気を付けて!
高齢者は『新型栄養失調になりやすい』こと、そして『新型栄養失調がさらなる病気を招く』という点で特に注意が必要です。
どうして高齢者はなりやすいの?
・味覚や嗅覚などの低下や消化吸収力の低下で食事量が減りやすい。
・買い物に行くことや、調理をすることが億劫になり、食事が単調になりやすい。
・歯が抜けてしまった、入れ歯が合わないなどの理由で食べづらいものを避けがち。
特に独り暮らしの高齢者は「一人で食べるのは味気ない」「簡単なもので済ませてしまう」という理由から低栄養になりがちなので注意が必要です。
さらなる病気を招くって?
たんぱく質は筋肉や血管・免疫細胞などの材料になる大切な栄養素です。なので、不足すると老化が進み筋力や免疫力が低下します。肺炎などの感染症や心臓病や脳卒中などのリスクが高くなり、要介護状態になる恐れが高まってしまうのです。
バランスよく食べるのってなかなか大変です。
スーパーのお惣菜や冷凍食品なども上手に利用して、栄養失調にならないように気を付けていきましょう!
介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。