耳が遠い高齢者の聞こえ方の特徴

耳が遠い高齢者

高齢者と話している時に「もう、全然聞いていないんだから‼」と、もやもやすることはありませんか?

年齢を重ねると耳が遠くなることを『加齢性難聴』といいます。

では、加齢性難聴の高齢者の聞こえ方にはどのような特徴があるのでしょうか。

 

 

加齢性難聴の聞こえ方

高い音は聞こえづらい

これは耳の奥の内耳と呼ばれる部分にある、音の振動を電気信号に変えて脳に伝える有毛細胞が、傷つき壊れてしまうためです。加齢や大きな音を聞き続けることが原因となります。そのため、電話の着信音や家電などの電子音、きんきんとした甲高い声などの高い音は聞こえづらくなります。

 

 音が割れたり、ゆがんで聴こえる

これは有毛細胞が少しずつ抜け落ちてしまうことが原因で起こります。微妙な周波数の違いが分かりづらくなり、音がくぐもって聞こえたり、言葉の違いが分かりづらくなったりします。有毛細胞が抜け落ちる現象は、ほぼ全ての人に起こります。20歳をピークに徐々に始まるので自覚がない方が多いです。

 

小さい音は聞こえづらいけど、大きい音はうるさく感じる

これは蝸牛(かぎゅう)と呼ばれる渦巻状の器官の細胞に障害が起きたために、わずかな音の変化を不快に感じるためです。女性や子どもの甲高い声を不快に感じたり、聞こえていないようなので大きな声で話しかけたら「うるさい、聞こえてるよ‼」と言われてしまったりするのはこのためです。

 

早口は分かりにくい

有毛細胞は音の振動を電気信号として脳に伝えているので、これが減ってしまうと、耳から脳に行くはずの音(言葉)の情報も減少してしまいます。なので、その内容を理解するのに時間がかかってしまうようになります。認知症など脳それ自体の理解力の低下がなくても、早口など短時間で情報量の多い言葉が理解できなくなるのはこのためです。

 

加齢性難聴は両耳が同じように聞こえなくなるのが特徴です。有毛細胞は再生しないので一度聞こえが悪くなると元に戻ることはありません。

加齢と共に起こり、ある程度はさけられない現象ではありますが、加齢性難聴を悪化させる要因はいくつかあります。それは、生活習慣病や喫煙・過度な飲酒・騒音などです。いずれも耳の血流を悪くしてしまします。それが難聴を悪化させてしまうのです。

 

加齢性難聴のことを、少しでもご理解いただけたでしょうか?

「もう、全然聞いていないんだから‼」ともやもやした時は、この記事を思い出して、低めの落ち着いた声で、ゆっくり話しかけてみると伝わりやすくなるかもしれませんよ。

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