『公的介護保険の保険料の疑問 その1』では金額や納付方法などを中心にまとめました。
今回は介護保険料のさらなる疑問について深堀していきます。
介護保険料はいつまで払い続けるの?
生涯にわたり支払い続けます。これは介護が必要になり、介護保険サービスを利用することになっても続きます。
保険料の支払いが大変な場合はどうしたらいいの?
理由によっては減免される制度があります。
- 低所得者減免 世帯全員の前年の年間収入合計額が既定の額以下であるなど、いくつかの条件をすべて満たす場合、必要書類を提出すれば、第1段階相当の金額(最も安い金額)まで減額となります。
- 災害減免 居住する家屋などが災害に合った場合に、罹災証明書などを提出すると、前年の所得の60〜100%の割合で減免されます。
- 所得激減減免 失業などで所得が激減した場合に、世帯全員の当年中の収入が分かるものすべてを提出すると、下がった所得を基に再計算した保険料との差額が減免されます。
介護保険料なんて支払いたくない!
介護保険は『介護を社会全体で支えよう』という理念の元に始まった制度であり、介護保険料の支払いは介護保険法で定められた義務です。任意で脱退できるものではありません。そして、いつ怪我をしたり、病気にかかったりするか分からないように、いつ介護が必要な状態になるかは、誰にも予測できないですよね。介護保険はもしもの時の助けになる制度なんですよ。
保険料を滞納したらどうなるの?
納付期限までに納付されない場合、市から督促状が届きます。督促状の納付期限を超えて保険料を納付する場合は、延滞金が加算されます。さらに滞納を続けていると、その期間により
- 介護保険のサービス利用料をいったん全額支払い、後から申請することで保険給付にあたる金額の払い戻しを受ける。
- 上記の制度が一時差し止められ、その差し止められている金額から介護保険料が差し引かれる。
- 介護保険サービス利用時の自己負担額割合が高くなり、高額サービス費の払い戻しや負担軽減などの制度が受けられなくなる。
- 法令に基づき預貯金の差し押さえ
などの措置が取られ、将来介護サービスが必要になった時に困ることがあります。
誰もがいつかは利用するかもしれない介護保険。
このコラムが介護保険制度を知るための一助となれば幸いです。
参考
札幌市公式ホームページ
ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉・介護 > 高齢福祉・介護保険 > 介護保険制度について > 介護保険の保険料
https://www.city.sapporo.jp/index.html
介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。