介護保険の 『認定調査』について教えて!~前編:申請から結果通知までの流れ~

介護保険証

介護保険のサービスを利用するには『認定調査』を受けて、要介護度を判定してもらう必要があります。

今回はその『認定調査』の流れや各段階の役割などについてご紹介します。

 

認定調査の基本的な流れ

【申請】 申請は区役所の保健福祉課(札幌市の場合)で行います。本人・家族だけでなく、ケアマネジャーに代行してもらうことも可能です。

【訪問調査・主治医意見書】 訪問調査では、普段生活している自宅や施設に調査員が訪ね、日頃の様子の聞き取りが行われます。主治医意見書は、役所からの依頼で申請者本人の主治医によって作成されます。

【一次判定】 訪問調査の結果をコンピューターにかけて一次判定を行います。

【二次判定 介護認定審査会】 一次判定の結果を受け、訪問調査時の特記事項と主治医意見書を踏まえたうえで審査・判定を行います。

【結果通知】 通常は申請から30日以内に結果が通知されます。

 

訪問調査についてもう少し詳しく教えて!

要介護認定の基準

認定調査は全国共通の認定調査票を用いて行われ、概況調査・基本調査・特記事項の3部構成になっています。

概況調査には、生年月日や住所などの基本情報が記載されます。

基本調査では、「麻痺や関節の動き」、「寝返り・起き上がり・歩行」、「入浴・排泄・食事」、「衣服の着脱」、「金銭管理」、「視力・聴力」、「物忘れ・徘徊などの行動」、「14日以内に受けた医療」などが3~5段階で評価され記載されます。

特記事項では、基本調査では表しきれない状況や評価の根拠などが記載されます。

この認定調査票に従って、認定調査員が本人や家族に聞き取りを行ったり、実際に動作を行ってもらったりします。

 

調査員ってどんな人が来るの?

認定調査

介護認定

札幌市の場合は、区の職員や社会福祉協議会の職員が訪問調査を行っています。訪問調査員になるためには、医療・介護系の資格を保有していることや、定められた期間の実務経験があることなど一定の要件があります。調査員によって聞き取りやその内容にばらつきが出ないように定期的に研修が行われています。

 

主治医意見書ってなに?

主治医意見書とは、主治医が医学的な見地から申請者本人の病歴や心身の状況、認知症の有無や程度、日常生活の自立度、必要な介護の程度などを記したものです。主治医(かかりつけ医)がいない場合は、指定医の診察を受ける必要があります。

 

介護認定審査会ってなに?

一次判定では、基本調査の内容を機械的に判断します。

例えば、排泄に関する項目では『介助されていない・見守り等・一部介助・全介助』の4段階で評価を行います。ですが、介護の状況はこれだけではすべてを説明するのは困難です。例えば「体調に波があり『全介助』の時もあれば、『見守り等』だけの時もある」という状況や、同じ『一部介助』でも「便座に移るために抱えて移動させる介助している」のと「ズボンの上げ下げだけ介助している」などといった状況は、とても4段階では表現しきれません。これらを記載するのが、調査票の特記事項です。

二次判定である介護認定審査会では、この特記事項と主治医意見書をもとに、介護の手間や負担も考慮したうえで、最終的な要介護度を判断するのです。

 

 

今回は、申請から結果通知までの流れをご紹介しました。

『介護が必要になったらどうしよう…』という不安も、介護保険制度を知っていることで少しは軽減できるかもしれません。

要介護認定は、介護保険を利用するための入り口です。その入り口を知るための一助になっていれば幸いです。

関連ページはこちら  ケアプランってどんなもの?

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