5月5日は『こどもの日』ですが『薬の日』でもあるんですよ。
普段飲んでいる薬には、錠剤やカプセル・粉薬などさまざまな形状がありますよね。
それぞれの違いや特徴ご存じですか?
薬の形がいろいろある理由
それは薬の効果を的確に、そして最大限に発揮させるためです。形状が違うことで、吸収する場所や時間が変わり、さまざまな症状に対応することができます。また、さまざまな形状にすることで飲みやすさにも配慮がなされているんですよ。
それぞれの特徴
錠剤
有効成分を圧縮して固めたものが錠剤です。有効成分の種類や、効果を発揮したい場所によって大きさや形はさまざまあります。飲みやすい・用量がわかりやすい・比較的長期保存できるなどのメリットがあります。
カプセル剤
ゼラチンで作られたカプセルに、粉薬や液状の薬が詰められているものがカプセル剤です。薬特有のにおいや苦味を気にせずに飲むことができます。また、錠剤よりも吸収が速いのも特徴です。
粉薬
粉末状の薬です。顆粒も粉薬の一種で、飲み込みやすいように細かい粒状にコーティングされたものです。錠剤やカプセル剤に比べ早く吸収され、早く効果を期待することができます。また、症状や年齢に合わせて分量を調節しやすいなどの利点もあります。
注意!形を変えて飲まないで!
高齢になると、飲み込む力が低下してきて錠剤やカプセル剤が飲み込みづらくなり、つぶしたり割ったりして飲む方がいらっしゃいます。ですが、これはやめましょう。
錠剤やカプセル剤は、胃や腸で溶けるもの、二重構造になっていて外側は胃で溶け、内側は腸で溶けるようになっているもの、ゆっくり溶けて効果が長く続くものなどそれぞれ目的を持って作られています。割ったりつぶしたりすると、これらの目的を果たすことができず、薬の効果が十分に発揮できなかったり、効果が急に強く出てしまったりするなどの危険があります。
中にはつぶして飲んでも問題ないのもありますが、個人で判断しない方がよいでしょう。同じ効果で粉薬やシロップ剤などの種類があるものもあります。錠剤やカプセル剤が飲みづらい方は、医師や薬剤師に相談してみてくださいね。
『611年5月5日、推古天皇が大和(今の奈良県)で薬になる草木を採取する薬狩りを行い、これが毎年の恒例行事になりこの日を「薬日」と定めた』と日本書紀にあり、5月5日が『薬の日』になったそうです。
薬に健康への願いを託す気持ちは今も昔も変わりないんですね。
正しく飲んで、長く健康を維持しましょう!
介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。