高齢になると睡眠に関する悩みを訴える方が多くいらっしゃいます。それにはこんな原因があるからなんですよ。
『朝早く目が覚めてしまう』
これは体内時計が前倒しになってしまうことが原因です。体内時計は1日周期でリズムを刻むことで、日中は心身ともに活動状態になり、夜間は休息状態に切り替わります。この体内時計を調節しているのが『メラトニン』というホルモンです。『メラトニン』は睡眠ホルモンと呼ばれ、朝日を浴びることで分泌が減り、起床時から14〜16時間後に再び分泌され自然に眠気を感じるようになります。
このメラトニンは加齢により分泌量が減ってしまいます。そのため十分な睡眠が得られず朝早く目が覚めてしまい、早い時間に朝日を浴びたことで、早い時間に眠ってしまい、さらに朝早く目が覚めるようになるという悪循環が生まれてしまうのです。
『なかなか寝付けない』
布団に入ってから30分以上寝付けないという方は、寝付きが悪い状態と言ってよいでしょう。精神的な不安やストレスが原因なこともありますが、高齢者の場合は日中の活動量が少ないということが原因になっている場合もあります。日中の活動量に応じて眠気をもたらす睡眠物質が脳内で作り出され、一定の量になると自然と眠たくなります。当然、日中の活動量が少なければ睡眠物質も作られないので、眠たくならないというわけです。
70代の平均睡眠時間が6時間であるのに対し、寝床にいる時間は9時間という調査結果があります。眠れぬまま布団でごろごろしていると、脳は『布団は寝る場所ではなく、ごろごろする場所』と覚えてしまい、さらに寝付きが悪くなってしまいます。布団に入るのは眠たくなってからにしましょう。
『夜中に何度も目が覚める』
これはレム睡眠が増えることが原因です。睡眠には、浅い眠りの『レム睡眠』と、深い眠りの『ノンレム睡眠』があります。レム睡眠は、身体は休んでいても脳は活発に活動している状態で、夢を見やすいのもレム睡眠中とされています。ノンレム睡眠は、脳も休息しており、疲労回復のための大切な時間とされています。
高齢になると、このレム睡眠が増えることが分かっています。そのためちょっとした物音や、軽い尿意でも夜中に目が覚めてしまうのです。
『熟睡感がない』
これは、レム睡眠の時間が増えるからという理由もありますが、高齢者に多い病気が原因になっていることもあります。代表的なのは、眠ると呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群や、夜になると足がむずむずしてくるレストレスレッグズ症候群などです。
これらは体内時計の乱れなどではなく、それぞれに治療法があるので専門医へ相談することをおすすめします。
高齢者の睡眠不足は、心身ともにさまざまな悪影響を及ぼします。
規則正しい生活と適度な運動が睡眠の改善に大切ですが、それでも満足な睡眠が得られない場合はかかりつけ医などに相談するとよいでしょう。
なかなか寝付けない、夜中に何度も起きてしまう、ぐっすり寝た気がしない。といったお悩みを抱える方のために開発したのが機能性表示食品『北の大地の夢しずく』です。
介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。