介護保険のサービスを利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。その結果の『要介護度』は、大きく『要支援』と『要介護』に分かれます。
その違い、ご存じですか?
『要介護度』って?
日常生活の中でどの程度介護を必要とするかの度合いを表す指標です。
『要支援1・2』『要介護1〜5』『非該当(自立)』8段階に分けられます。
『要支援』と『要介護』ってどう違うの?
『生活関連動作』と『日常生活動作』
違いを知るうえで大切なのは『生活関連動作』と『日常生活動作』の動作です。
『生活関連動作』とは生活を送る上での応用的な動作のことです。
家事・買い物・整理整頓・金銭管理・服薬管理・電話の利用・交通機関の利用などが挙げられます。
『日常生活動作』とは生活するための基本的な動作のことです。食事・排泄・更衣・整容・入浴・移動・コミュニケーションなどが挙げられます。
『要支援』と『要介護』の違い
これを踏まえたうえで『要支援』と『要介護』の違いを説明すると、
『要支援』は、『日常生活動作』は自力で行えるが『生活関連動作』の一部に手助けが必要な状態。
『要介護』は、『日常生活動作』にも介助が必要(数字が大きいほどより多くの介助が必要)な状態。
ということになります。
認知症の影響があると…
『日常生活動作』の中には、コミュニケーションも含まれています。なので、認知症の影響により物忘れが多くなったり、判断力が低下してきたりすると『要介護』と認定される可能性があります。
それぞれのサービスの目的
『要支援』で受けられるサービスは、『要介護』状態になることを予防し、日常生活を自力で送り続けられることを目的としています。
『要介護』で受けられるサービスは、状態にあった介護を受けることで、日常生活を送ることができることを目的としています。
そのため、受けられるサービスの種類には違いがあるんですよ。
『非該当(自立)』と認定された場合
ちなみに、どちらにも該当しない『非該当(自立)』と認定を受ける場合もあります。これは『生活関連動作』『日常生活動作』共に介助を必要としないという状態です。
『非該当(自立)』と認定された場合でも、地域包括支援センターによるアセスメント(評価)の結果『今後介助が必要になる可能性が高い』と判断された場合は、『要支援』とほぼ同様のサービスを受けることができます。
『要支援』と『要介護』の違い、ご理解いただけたでしょうか。
いつかは利用することになるかもしれない介護保険。
その仕組みの理解の一助になれたら幸いです。
介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。