尿失禁の悩みあれこれ ~声かけの工夫編~

トイレが近い

排尿記録などで尿意の予兆や失禁のタイミングを確認できたら、その前に声かけを行うと尿失禁を回避することができます。

ですが『このタイミングでトイレに行ってほしいのに、なかなか行ってくれない…』ということも多々あります。

今回はそんな時の声かけの工夫をご提案します。

なぜ嫌がられてしまうのか…

家族や夫婦間でも「できれば下の世話はかけたくないなぁ」という気持ちはないでしょうか。それはどんな人の心の中にもあるものです。排泄に関する事柄には羞恥心がつきもの。そこに最大限の配慮をしながら声かけを行うと何か変化があるかもしれませんよ。

伝え方を変えてみる

耳元で「今トイレ行かない?」「トイレ大丈夫?」とこっそり声をかけてみるのはどうでしょう。耳が遠くなってきた高齢者にはつい大きな声で話しかけてしまいがちですよね。ですが、周囲にたくさんの人がいる中での排泄に関する声かけには、恥ずかしさを感じる人も多くいらっしゃるでしょう。そのことに配慮して耳元で小声で声をかけてみるのはいかがでしょうか。

言葉を変えてみる

「化粧室」「手水場(ちょうずば)」「ご不浄(ふじょう)」「厠(かわや)」「はばかり」「雪隠(せっちん)」これは全部「トイレ」を指す言葉です。他にもたくさんの言葉がありますが、これらは直接的な言い方を避けるために生まれてきた言葉です。それらの言葉がたくさんあるということは、トイレに行くことを他者に知られることに恥ずかしさを感じることの裏返しなのではないでしょか。お相手の日頃使っている言葉や話し方に合わせて、言葉をチョイスしてみるとうまくいくかもしれませんよ。

心理学を応用してみる

「私も行くから、○○もトイレ行ったら?」「これからトイレ掃除するからその前にすませておいてくれない?」など『~だから、今トイレに行かない?』という理由を付けて声かけをするのはどうでしょうか。これは心理学で『カチッサー効果』といわれるものです。何かを他者に頼むときに、もっともらしい理由を添えると承諾を得やすくなるというものです。「あぁそうか、だから今トイレに行かなきゃいけないのか。」とお相手に納得してもらえると理由を付けるとうまくいくかもしれませんよ。

排泄に関する介護は、双方に心理的な負担が大きいものです。

お相手の人柄や性格も考慮して声かけの工夫をすることに、お互いが気持ちよく過ごせるヒントが隠れているかもしれません。

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