年齢を重ねると乾燥肌やかゆみに悩む方が多くいらっしゃいます。
日常生活で何気なく行っている『それ』が原因かもしれませんよ。
どうして年齢を重ねると乾燥肌やかゆみが多くなるの?
汗や皮脂の分泌の減少が大きな原因です。汗には体温調節だけでなく、肌表面の角質層に水分を補給するという役割もあります。そして、皮脂には毛穴から出て角層の表面に広がり、水分の蒸発を防いで潤いを守るという役割があります。しかし、年齢を重ねるとそれらの分泌が減ってしまうため、肌の乾燥が進んでしまうのです。
そして、汗や皮脂には外からの刺激を防ぐというバリア機能もあります。汗と皮脂の分泌が減り、バリア機能が弱まると軽い刺激でも敏感に反応するようになるため、かゆみを感じやすくなるのです。
日常に潜む乾燥肌・かゆみの原因
その1 熱めのお風呂
冬は湯船にゆっくりつかって体を温めたいですよね。もちろん湯船につかることのメリットはたくさんあるのですが、乾燥肌対策の観点からみると少し注意が必要です。それは『熱めのお湯に長く』つかることです。
熱いお湯に長くつかると、肌の最表面で潤いを守る皮脂膜が溶けてしまい、角質層内の保湿成分が流れ出てしまうのです。乾燥肌対策のためには『40℃以下のぬる目のお湯で20分以内』を心がけましょう。また保湿成分入の入浴剤を使うのもおすすめです。
その2 ナイロンタオル
体を洗う時はどのようなもので洗っていますか?
ナイロン製のタオルを使っている方は多いのではないでしょうか。ナイロンタオルは泡立ちも良いし、適度な刺激があって愛用している方も多いと思いますが、しかしこのナイロンタオルは乾燥肌の人には不向きなんです。
皮膚の表面は皮脂膜で覆われており、皮膚の水分を保つ役割をしていますが、ナイロンタオルでゴシゴシこすると、この皮脂膜は簡単に剥がれ落ちてしまいます。乾燥肌の方は、綿などの柔らかいタオルを使うか、ナイロンタオルで立てた泡で手のひら洗いをするのがおすすめです。
その3 電気毛布
寒い冬の就寝時の味方、電気毛布。「これがないと眠れない」という方も多いのではないでしょうか。しかし、乾燥肌やかゆみに悩んでいる方には、朝までずっと使い続けるというのはおすすめできません。
その理由として、電気毛布は体の表面を温め続け、身体の水分を奪い続けてしまうからです。「起床時やけに喉が渇く」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
電気毛布を使う場合は、寝る前に十分布団を温めて、寝る時はスイッチを切ることをおすすめします。電気毛布の代用として湯たんぽを使うのもおすすめです(低温やけどには十分気をつけてくださいね)。
乾燥肌が悪化し、ついつい爪でかいてしまうと皮膚が炎症を起こすことがあります。
そうなる前に、乾燥肌対策は『早め・早め』に行ってくださいね!
介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。