「気持ちがいいね」はあたたかい。
介護をしていく中で、三度の食事と同じくらい大事なのが、清潔に関することです。
入浴のお手伝いや入浴介護は、ご利用者様の全身の清潔を保つため援助である他、褥瘡予防や肌の状態をチェックしたりと、健康維持のための一端を担います。
清潔管理と共に注意して見守らなけれなりません。
食事にしろ入浴にしろ、どんなときだって介護をしている側としては、多かれ少なかれ緊張感を伴います。
危険回避に気を遣うあまり、ついつい無言になってしまうこともありがちですが、気持ちを言葉にして伝えると場があたたかくなります。
入浴は、リラックスの最たる場です。
普段あまりおしゃべりを好まないおじいさんやおばあさんも、気分が良くなり会話や歌も弾んだりします。
一緒になごみながら「気持ちがいいね」「温かいね」と一声かけたら、入浴タイムがますます楽しくなります。
あるおばあさんは、訪問入浴サービスにいらした若いスタッフさんたちを前に、自分の女学生時代から嫁にくるまでの、色恋話を艶々と語っておられました。
それはそれは美人なおばあさんだったので、さぞかしモテただろうなと想像もたやすくできました。
おしゃべりは、ストレス発散!
普段から、意思疎通がスムーズにいかないこともあるでしょう。
憎まれ口や愚痴ばかり聞かされているかもしれません。
介護をする側される側、どちらも下を向いてしまうと、どちらの心もお風呂の底に沈んでしまいます。
「気持ちがいいね」の一声は、お互いの沈みがちな気持ちを温かいお風呂でとかしてくれます。
入浴は一仕事です。
一仕事が終わったら「気持ち良かったね」と水分補給がてらドリンクタイムをしましょう。
血流も良くなり気分もホカホカ上昇気流で、今日一日もいい気分で過ごせるでしょう。