ひと口に認知症といっても、その程度や種類・症状はさまざまです。
認知症はできるだけ早くから対応することで、その経過や進行速度は大きく変わってきます。
そこで今回は『軽度認知障害』についてお伝えいたします。
軽度認知障害ってなに?
物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態。
軽度認知障害は正常と認知症の中間ともいえる状態です。その定義は、下記の通りです。
1.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
2.本人または家族による物忘れの訴えがある。
3.全般的な認知機能は正常範囲である。
4.日常生活動作は自立している。
5.認知症ではない。
※軽度認知障害. e-ヘルスネット.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-033.html 厚生労働省
そのまま認知症になっちゃうの?
年間10~30%の方が認知症に進行し(正常な方は年に1~2%が認知症を発症)。
その一方で、正常なレベルに回復する人もいます。5年後に38.5%が正常化したという報告もあります。
※認知症施策の総合的な推進について(参考資料)令和元年6月20日https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000519620.pdf 厚生労働省老健局
じゃあ、認知症に進行するのを予防するにはどうしたらいいの?
アタマもカラダも動かして、健康的な生活を送ることが大切です。
食生活を見直そう
魚や野菜を多く取り入れたバランスの良い食事を心がけ、塩分や糖分の取り過ぎに注意しましょう。
定期的に運動しよう
運動すると全身の血流がよくなり、記憶や学習に関連する脳の海馬と呼ばれる部分の萎縮抑制に効果があるといわれています。
しっかり眠ろう
アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβは睡眠時間が足りないと大脳皮質への沈着が速くなり、アルツハイマー型認知症になりやすいと考えられています。
知的活動を続けよう
新聞を読む・学習や計算をする、麻雀や将棋などのゲーム、ピアノなどの楽器演奏、また手芸など頭を使い指先を動かす活動は、認知症発生リスク軽減に効果があるといわれています。
人との交流を続けよう
人と交流を持つことや、社会で役割があることが毎日をいきいきと過ごすための力の源となり、脳に良い刺激を与えてくれます。
まずは相談
気になる症状があれば、かかりつけ医や相談窓口にまずは相談することをおすすめします。
長い時間をかけて身についた習慣を変えるのは大変ですが、今からでもできることはたくさんあります。
予防のために今からできること始めてみませんか?
認知症の方も入居できる老人ホームを探すなら介護老人保健施設で介護福祉士として長く働き、ケアマネジャーを経て、地域密着型通所介護の所長を務めていました。
高齢者やそのご家族が、いきいきと健康的に過ごせるような生活情報をお伝えしてまいります。